進行中の研究
―ポジティブ情報学
―メタ/ポストメディア
終了した研究
―現代美術の保存と修復
―シンギュラリティ
―ポップカルチャーワールド
―
感覚言語
―ポピュラーカルチャーの美学構築のための基盤研究(研究代表者:室井尚横浜国立大学教授)
―
触譜を用いた触覚の実験美学的研究
―
ハーネスとパラドクス性ー科学と芸術をむすぶ自然観の研究
―科学画像の適正な使用に向けての基礎的・総合的研究(研究代表者:戸田山和久名古屋大学教授)
―西洋美術における「目」と「眼差し」の総合的研究(研究代表者:岡田温司京都大学教授)
研究についての考え方
―美学(広義)の手続きは次です(『あたらしい美学をつくる』pp.183-184)。
1 依拠すべき自然科学を選ぶ
2 その自然科学が見せてくれる自然の姿を学ぶ
3 その自然科学あるいは自然観がもたらすであろう価値の問題を構想する
4 構想された価値の問題が現在の自然科学でどのように捉えられているかを知る
5 1-4を考えさせるよう仕向ける対象に美の可能性を認める
―実際には。
この大きな道筋を考える過程で、さまざまな個別の問題を考察する必要に迫られます。
たとえば 2について。
「自然科学」が「自然の姿」を見せるとき。自然についての知識を拡張してくれる道具として、電子顕微鏡やデータマイニング技術などが用いられます。その結果は可視化され、いわゆる「科学画像」が成立します。
が、この科学画像と自然の姿がどんな関係にあるか明らかにしなければ、実は3もわかりません。
そこで、科学画像について研究することになります。もちろんその場合、科学者のみなさんとの共同研究になります。科学画像のプロを抜きに、議論などできないからです。
そのとき、画像あるいは可視化について長年研究してきたはずの(狭義の)美学・芸術学・美術史学の成果をどう生かすことができるか。それがポイントとなります。単なる画像批判以上のものが求められます。
また実際に科学画像が社会と接点をもつ場所、たとえば科学館や博物館が、研究のフィールドに入ってきます。